おうちLABO 2022年の宅地建物取引業免許取消と再取得

おうちLABO 2022年の宅地建物取引業免許取消と再取得
~何が起き、確認体制をどのように見直したのか~
「おうちPARK・経営の記録」は、創業から現在までの歩みを、単なる沿革ではなく、一つひとつの経営判断の積み重ねとして記録する企画です。何を考え、何に迷い、何を優先して決断したのか。その背景を残すことは、次世代へ理念を受け継ぐためにも大切な役割だと考えています。
今回取り上げるのは、2022年におうちLABOが受けた宅地建物取引業免許の取消処分と、その後の免許再取得についてです。
行政処分という事実だけを見ると、「会社で何が起きたのか」が十分に伝わらず、誤った印象をもたれることもあります。しかし、私たちはこの出来事を隠すのではなく、事実と向き合い、その経験を今後の経営にどう生かしたのかを記録として残したいと考えました。
宅地建物取引業免許の取消処分を受けた2022 年5 月、石﨑社長、各部門責任者、現場社員は、お客様や取引先への説明と謝罪にあたりました。
当時は、会社として一連の経緯を継続的に記録・公開しておく重要性への認識が十分ではありませんでした。
そのため、社員や取引先への説明は行ったものの、ホームページには経緯を残しませんでした。
2026年8月現在、この出来事から4年以上が経過しています。
埼玉県は、宅地建物取引業者への監督処分結果を処分日から5年間、公式サイトに掲載するとしています。
本件は2022年5月13日の処分であり、2027年5月13日で処分から5年を迎えます。
一方、会社自身が、免許取消から再取得までの経緯をまとめて説明した記録は残していません。
公的な一次情報の掲載期間が終わった後、断片的な情報だけが残れば、事実関係が正確に伝わらない可能性があります。
そこで今回、2022年に何が起き、会社がどのように対応し、何を見直し、免許を再取得したのかを、会社自身の公式な記録として残すことにしました。
次世代へ会社をつなぐための役員登用
おうちPARKグループは、家族経営ではなく、社内で人を育て、次の経営者へバトンを渡していく組織を目指しています。
責任ある立場を経験し、自ら判断し、多くの人に責任を負うことで初めて経営者は育つ。その考えのもと、2022年にグループ各社で2名の役員を新たに登用しました。
しかし、その役員登用が思いもよらない出来事につながります。
一通の郵便物から始まった出来事
免許取消の事実は、行政から届いた郵便物によって初めて知ることになりました。
調査を進めた結果、新たに登用した役員の一人が、役員就任以前に罰金刑を受けておりました。
役員に登用される約4年前、本人は運転代行を利用した際、料金をめぐって相手方2人と口論になり、もみ合いに発展しました。この件で、罰金10万円の刑を受けていました。
宅地建物取引業法では、同法が定める一定の罪で罰金刑を受け、その刑の執行を終えてから5年を経過していない者が法人の役員にいる場合、免許の欠格事由に該当します。
本人からは、かなり以前の出来事であり、役員就任に影響するとは認識していなかったとの説明がありました。
会社も、役員登用時にその事実を把握できていませんでした。
当時実施していた民間の反社会的勢力チェックでは、該当する情報を確認できませんでした。
しかし、それだけでは、法令上の欠格事由を確認するには十分ではありませんでした。
結果として法令上の欠格事由に該当する人物を役員に登用したことになり、
2022年5月13日、おうちLABOの宅地建物取引業免許は取り消されました。
これは顧客を欺いたことや、不正な不動産取引、反社会的勢力との関係によるものではありません。
しかし、役員を登用する以上、法令上の要件を確認する責任は会社にもありました。
会社は、当該人物について社内規程に基づき厳正に対処し、役員登記からも外しました。
石﨑社長は、この出来事を一個人の問題として終わらせるのではなく、経営者としての確認体制が十分ではなかった結果であると受け止めました。
最優先したのは三つの責任
処分直後、会社が最優先したのは、お客様、取引先、そして社員とその家族を守ることでした。
社員には全体朝礼で事実と今後の対応を説明し、その後も継続的に情報共有を実施。取引先へは石﨑社長、各部門責任者、現場社員が直接訪問し、事情を説明しました。
不安が広がる状況の中、多くの社員は会社を支え、取引先からも「一緒に乗り越えましょう」という励ましの言葉が寄せられました。
苦しい局面で会社を支えてくれたのは、これまで積み重ねてきた人との信頼関係でした。
法令に基づく処分を受け止める
会社は意図的に法令違反をしたわけではありません。
石﨑社長は県の担当者へ事情を説明しました。事情への理解は示されましたが、法令に基づく処分であることに変わりはないとの説明を受けました。
一方で、会社は、県の担当者から再申請に必要な手続きの案内を受けながら、免許の再取得に向けた準備を進めました。
その説明を受け止め、会社として自らの責任を果たし、正常な状態へ戻すことに力を注ぐと決めました。
免許再取得と確認体制の見直し
会社は直ちに役員体制を見直し、再申請の準備を開始しました。
そして2022年6月18日、宅地建物取引業免許を再取得しました。
しかし、目的は新たに免許を取得することだけではありませんでした。
なぜ防げなかったのかを検証し、二度と同じことを起こさない仕組みをつくることでした。
役員就任時の誓約書や申告書、欠格事由の確認方法、反社会的勢力チェック、内部通報制度などを見直し、顧問弁護士とも再発防止策を協議。コンプライアンス研修も強化しました。
この経験を通じて強く認識したのは、「人を信じること」と「組織として確認すること」は両立しなければならないということです。
ガバナンスとは、人を疑うためではなく、社員、お客様、取引先、そして会社を守るための仕組みなのです。
役員登用と人材育成のあり方を見直す
この出来事を受け、おうちPARK グループは、役員登用時の確認体制だけでなく、管理職や経営幹部に求める法令理解、社会的責任、理念に基づく判断についても、育成内容を見直しました。
現在では、新入社員から管理職、経営幹部までを対象とした体系的な社内研修を整備し、会社の理念を実践できる人材育成に取り組んでいます。
役員登用がきっかけとなった出来事だからこそ、挑戦をやめるのではなく、より強い仕組みの中で人を育て続ける。それが、おうちPARKグループの選択でした。
過去を隠さず、未来へ生かす
行政処分という事実は消えることはありません。
だからこそ、都合の良い部分だけを伝えるのではなく、何が起き、何が足りなかったのか、そしてどのように改善したのかを正しく残すことに意味があると考えています。
この出来事によって、おうちPARKグループは「信頼」と「確認」を両立する組織へと歩み始めました。
失敗を隠さず、事実と向き合い、その経験を未来の経営へ生かしていくこと。
それこそが過去の判断も含めて記録し、同じことを繰り返さない仕組みに変えていくことになります。
そして、その経験を、これからの経営に生かしていきます。
