おうちPARK・経営の記録④

テーマ:建築士が営業するスタイルの確立
「おうちPARK・経営の記録」では、創業から現在までの歩みを、単なる沿革や思い出としてではなく、一つひとつの判断の積み重ねとしてたどります。その時、何を考え、何に迷い、何を大切にして決めてきたのか。経営の言葉を通じて、おうちパークグループらしさの源泉を記録していきます。
「建築士は裏方」が当たり前だった時代
現在、おうちLABOの特徴の1つである「建築士が営業するスタイル」。
この考え方が生まれた2011年前後、鈴木専務が入社し、おうちPARKグループが建築・設計領域を広げていこうと考えていた頃の住宅業界では決して一般的なものではありませんでした。

当時の住宅・建築業界では、営業スタッフがお客様との窓口となり、建築士は図面を描き、設計を行う専門職という役割分担が当たり前でした。
建築士は豊富な知識や高い技術をもっていても、お客様と直接接する機会は限られ、営業スタッフを支える存在として裏方にまわることが多かったのです。
もちろん、その分業体制には効率というメリットもありました。
しかし一方で、お客様の想いや理想の暮らしが、営業担当から設計担当へ伝言ゲームのように伝わるだけになることも少なくありませんでした。
「本当にこのままで、お客様にとって最善の住まいづくりができるのだろうか。」
そんな疑問が、おうちLABOの新しい挑戦の始まりでした。
建築士だからこそ届けられる価値がある
2010年頃、おうちLABOへ入社する前、鈴木専務は前職で1級建築士として設計に携わりながら、一つの大きな葛藤を抱えていました。
建築士として専門知識を積み重ねるほど、「もっと直接お客様の役に立てるのではないか」という思いが強くなっていったのです。
営業スタッフを通して話を聞くのではなく、自分自身がお客様の声を聞き、その場で専門家として提案したい。図面を描くだけではなく、住まいづくりの最初から最後まで責任をもちたい。
しかし、その判断は決して簡単なものではありませんでした。
建築士が営業を行う前例は多くありません。専門職としての設計業務と営業活動を両立させることは時間的にも負担が大きく、「本当にうまくいくのか」という不安もありました。
このまま、建築士が営業スタッフの裏方に徹して、社内で分業し、業務効率化の路線を辿る方が楽だったかもしれません。
それでも優先したのは、建築士としてお客様の声を直接聞き、理想の住まいを一緒につくる建築士が営業するスタイルでした。「業界の常識」ではなく、「お客様にとって何が一番良いか」という視点を大事にしたのです。
専門知識をもつ建築士がお客様と直接向き合えば、その場で疑問を解決し、設計の意図や住まいの可能性を分かりやすく伝えることができます。
打ち合わせの精度も高まり、お客様との信頼関係もより深まる。
そう考えた鈴木専務は、自ら営業の最前線へ立つという新しいスタイルを確立していきました。
それは、おうちLABOにとって大きな転換点となる判断でした。
判断は文化となり、今も受け継がれている
振り返れば、この改革は営業手法を変えたというだけの話ではありません。
建築士がお客様の前に立つ。
そして、一人の担当者が最後まで責任をもつ。
その判断の背景には、「専門性をもっとお客様のために生かしたい」という想いと、「目の前のお客様に本当に価値あるサービスを届けたい」という信念がありました。
この頃は鈴木専務の入社前であり、おうちPARKグループが建築・設計の分野へ本格的に広げていく前の時期でした。事業展開する前の時期では、前例も少なく、迷いや不安もありました。
それでも、おうちPARKグループは「何が自分たちにとって都合が良いか」ではなく、「お客様にとって何が最も価値あることか」を判断基準に選び続けてきました。
その積み重ねが、お客様との信頼を生み、社員一人ひとりの専門性を高め、協力会社との強い連携を育み、地域に根差した住まいのパートナーという現在の姿につながっています。
おうちPARKグループが大切にしてきたのは、業界の常識に従うことではありません。
お客様との関係をより良くするために、必要であれば常識そのものを見直すこと。
建築士が営業するスタイルは、お客様との関係をより良くするために重ねてきた判断の一つなのです。
次回、テーマ5では鈴木専務が礎を築いた「建築士が営業するスタイル」を、猪爪常務がどのように「一人ワンストップサービスの営業スタイル」へと進化させていったか、その判断の過程をたどります。
関連ページ:現在のおうちLABOの家づくりについては、公式サイトでも紹介しています。
