研修は生き物です!

― 新入社員本部研修での気づきと挑戦 ―
■ 1か月にわたる新入社員本部研修のスタート
おうちパークグループでは、2026年4月2日より新入社員本部研修がスタートしました。
本研修は、経営企画室の佐野が中心となって企画・運営を担当し、5月2日までの約1か月間にわたり実施されるものです。
今回の研修カリキュラムは、昨年11月頃から準備が始まりました。単なる知識のインプットに留まらず、「社会人としての基礎力の習得」と「現場で活きる実践力の養成」を目的に、講義とグループワーク、教材を使った学習などを組み合わせた構成となっています。

言葉こそ、意味を正しく理解することが非常に大事!
各講義は単発ではなく、全体の流れの中で相互に関連し合うよう設計されており、理解を段階的に深めていく仕組みです。さらに、インプットした知識をアウトプットする場としてのワークを配置することで、学習効果を最大化する狙いもありました。研修は当初、順調に進んでいるように見えました。
■ 変化の兆し ― 新入社員の表情が曇った瞬間
しかし、研修が折り返しを迎える直前、ある変化が現れます。
ビジネス用語に関する講義を実施した後、新入社員の表情が明らかに曇り、全体の雰囲気が一気にトーンダウンしたのです。

原因は明白でした。
扱っている内容が難しく、「分からない」「知らない」が連続したことで、受講者の理解が追いつかず、心理的な負荷が高まっていたのです。ニュースでも聞く言葉、「GDP、GNP、」
それまで積極的に発言していた新入社員も、次第に口数が減り、教室内には重たい空気が漂い始めました。
この状況を前に、佐野は一つの重要な判断を迫られることになります。
■ カリキュラムを守るか、変えるか
当初のカリキュラムは、全体の流れや学習効果を考え抜いたものでした。
講義とワークを組み合わせることで相乗効果を生み出し、理解を深める設計になっています。
そのため、カリキュラムの順番を変更することは、部分的に学習効果を損なうリスクも伴います。
特に、本来であれば翌日の講義後に実施する予定だったワークを前倒しすることで、理解の定着を図る機会が失われる可能性もありました。
一方で、このまま重たい雰囲気の中で研修を継続した場合、受講者の集中力や主体性が低下し、結果として全体の研修効果が大きく下がってしまう懸念もありました。
「計画通りに進めるべきか、それとも今この瞬間の受講者の状態を優先すべきか」
佐野は、研修設計者としての責任と、目の前の受講者への配慮の間で葛藤することになります。
■ 決断 ― “今”を優先する勇気
最終的に佐野が下した判断は、「カリキュラムの順番を変更する」というものでした。
重くなった空気を一度リセットし、新入社員のエネルギーを取り戻すことを最優先としたのです。
そのため、予定を前倒しし、体を動かしながら取り組めるワークや実習を実施しました。

結果として、研修会場には再び活気が戻り、新入社員の表情も徐々に明るさを取り戻していきました。
もちろん、順番を変えたことによる影響がゼロではありません。
しかし、その点については工夫で補いました。
本来、講義の後に実施する予定だったワークについては、翌日の講義の中で前日の実習を振り返りながら紐づけることで、理解の定着を図る設計へと組み替えたのです。
単なる「順番変更」ではなく、「学習効果を維持・向上させるための再設計」が行われました。
■ 「研修は生き物」という言葉の意味
この一連の経験の中で、佐野の脳裏に浮かんだのは、前職時代に共に研修を担当していた講師からの言葉でした。
「研修は生き物だ」
この言葉は、単なる比喩ではありません。
研修とは、あらかじめ決められた台本通りに進めるものではなく、その場の受講者の状態や反応によって常に変化し続けるものです。
どれだけ緻密に設計されたカリキュラムであっても、実際に受講するのは一人ひとり異なる背景や理解度を持つ“人”です。
そのため、研修の成果は「設計の良し悪し」だけで決まるものではなく、「その場での対応力」によって大きく左右されます。
今回の経験は、まさにそのことを改めて実感する機会となりました。
■ これからの研修に向けて
今回の新入社員本部研修を通じて得られた最大の学びは、「受講者を中心に据えることの重要性」です。
カリキュラムはあくまで“手段”であり、“目的”ではありません。
目的は、受講者の成長であり、学びの最大化です。
そのためには、目の前の受講者の表情や反応を丁寧に観察し、必要に応じて柔軟に対応していく姿勢が求められます。
今後も経営企画室では、形式にとらわれることなく、その場に最適な研修のあり方を模索し続けていきます。
そして、「研修は生き物である」という本質を忘れず、一人ひとりの成長に寄り添う場づくりを大切にしていきたいと考えています。
今回の取り組みは、単なる研修運営の一例ではなく、「人の成長に向き合う組織の姿勢」を象徴する出来事でした。
これから社会人として歩み始める新入社員の皆さんが、この研修を通じて得た気づきや学びを、それぞれの現場で発揮していくことを期待しています。
そして私たちもまた、彼らと共に成長し続けていきます。
